2006年5月から施行される「新会社法」をご存知でしょうか。

新会社法によって会社設立がしやすくなったのか?
今までとどう違うのか?

などを分かりやすくご紹介いたします。

※新会社法のポイントに関してはこちらをご参考下さい。
業界トレンドウォッチに掲載された記事をまとめたものです。



1.有限会社は新会社法施行後にも有限会社という名の株式会社(特例有限会社)として
  存続することができます。


→有限会社的な株式会社として次のようなメリットがあります。

・役員改選が不要
・決算公告の義務無し
・通常1千万円未満の出資なので設立2期目までは消費税が課せられない。


2. 新会社法では最低資本金の規制がなくなるので増資の必要はありません。
 
 出資金300万円の資金がある方→有限会社設立を検討
 出資金があまりない方→確認有限会社設立を検討
 (但し、確認有限会社の場合には5年以外に増資しない場合に解散する旨の登記を新会社法施行後に抹消する
  必要があります。)


3.設立費用( 15 万円〜)が株式会社(24万円)に比べれば安く設定されています。

 (登録免許税6万円・定款認証費用等9万円)


4.新会社法施行後に法律上の区分は株式会社となるので、
  定款の文言の一部変更を要します。

  
  (例えば出資→株式 等)


5.新会社法施行後に必要ならば株式会社に組織変更することができます。

 後日、株式会社とする必要が生じた場合には登録免許税は6万円で随時株式会社に組織変更することができます。  
 新会社法施行後は有限会社を設立することができなくなりますので、有限会社×××という商号の会社は
 今後増えることはありません。もしかしたら将来、有限会社の名前で存在することに希少価値がでてくることも
 あるかもしれません。


6.新会社法施行まで会社設立を待つことを事情が許さない場合等に利用できます。
 
 例えば、仕事の受注のため法人格が必要なときや早めの会社設立により節税効果が期待できるとき等


7.新会社法施行後は次のようなことが可能です。

 ・シンプルな会社機関の設計。(例えば取締役を1名に減員する等)
 ・役員(取締役・監査役)の任期を10年まで伸長する。

(一部抜粋)

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新「会社法」ではなぜ最低資本金の規制を廃止したのか?

 →米国のように日本でも起業を増加させるため。
 2003年からの特例制度(1円から会社が作れる)の利用者  → 2005年6月現在 2万4700件
 上記のうちの1万4251件の資本金申請金額は

  ● 300万円未満が全体の 87.3%
  ● 100万円以下は全体の 63.8%
  ● 30万円以下は全体の  45.3%

 とおよそ半数近くは資本金が30万円台である(経済産業省の調べデータ)


有限会社はなぜ一番多いのか?

 日本は株式会社が経済流社会の主流になっています。(国税庁の調べ)
 日本における会社(法人)数・・・250万社
 
  内、株式会社・・104万社   
    有限会社・・142万社   
    合資・合名会社・・4万社

 
 有限会社は、有限責任(出資以内の責任)であり、法律の規制が少なく、
 1人から設立できるなど使い勝手が良いからです。


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新「会社法」で株式会社が1人で設立できるのか?

 →作れます。

 株式会社は代表取締役・取締役会・監査役・株主総会の各機関が権限を分担していました。
 代表取締役は会社の代表権、会社の業務執行の権限があります。
 代表取締役は取締役会によって、取締役の中から選任されます。
 取締役は株主総会での株主の過半数で選ばれます。

 新「会社法」により、株式会社の実態が

 「経営」=「所有者」

 と考えられる小会社の機関設計が大幅に改正され、株式譲渡制限会社の機関設計は簡素化されました。

 <定款で自由な機関設計ができる>
 1、取締役会は任意設置(3人以上で構成)でよい
 2、取締役は1人でもよい
 3、監査役は任意設置でよい
 4、取締役の任期は定款に記載すれば最長10年の任期に出来る


譲渡制限とは

 株式の売買を勝手に行うことを禁止することで、定款(会社の憲法のようなもの)で
 「会社が発行する株式の譲渡(売買を自由に行う)について取締役会の承認を必要とする」
 と定められています。



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譲渡制限会社とは


 株式の売買を勝手に行うことを禁止している会社のこと

なぜ譲渡制限するのか
 
 会社経営にふさわしくない者の経営参加を防ぐことになります。
 経営の安定の為に株式の譲渡制限をするのです。

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株式会社とは

 お金を出してくれる人を募集し、株を発行することによってお金を集めてビジネスをする
 会社のことを「株式会社」といいます。

 
 「株主」は一年間の利益の一部を配当としてもらえます。
 ただし、利益がない時は配当はもらえません。



会社を設立する方法にはどのようなものがあるか
 
 2種類の方法があります。

 【発起設立】【募集設立】
 
 ・発起設立・・・発起人が会社の株式を全部引き受けるシンプルな設立方法
          1人や少数で設立する場合が多いようです
 ・募集設立・・・発起人が会社の株式の一部だけを引き受け、残りの株式は募集をして、
          他の会社や人に引き受けてもらう方法
 

 創立総会や株式募集の手続き、書類等の事務が必要なので多少面倒です
 ★これまでと同じように「払い込み保管証明」が義務づけられている。 出資した株式申込人を保護するためです。



取締役会とはどのようなものか?
 
 株式会社の重要な業務の執行についての決定をしたり、代表取締役の選任、
 その監督をする機関で、定期的に開く会議で決議を行います。
 これらの取締役会によって会社経営をどのようにしていくかという今後の方向性を決めるのです。

 【具体的な決定事項】
  ○重要な業務の執行
  ○大事な財産の処分や譲渡や会社組織の設置・変更・廃止
  など



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会計参与とは

 新「会社法」では、新しい機関「会計参与」が創設されました。
 公認会計士(監査法人も含む)または、税理士(税理士法人も含む)が会計参与になれます。
 
この制度は、株式会社の損益計算書などの計算書類の信頼性を高めることを目的としています。
 会社経営者たちとは別に独立性が保たれています。


なぜ、新「会社法」で、「譲渡制限会社」は「取締役を株主に限る」と認められたのか

 株式会社には、「取締役の資格には定款でも株主に限ることはできない」という規定があります。
 上場会社や大会社では経営のプロである取締役は社会の中から広く人材を集めることが必要とされます。
 新「会社法」では1人で株式会社が設立できることから、できるようになりました。


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